帳簿の基礎


起業すれば、帳簿の記帳が必然的に生じてきます。

 

しかし、実際にどのような資料等を整理したり、管理したりして良いのかが分らないので、そのままになり、申告時に焦ることになったりします。

帳簿を付けていくことを続けることにより、計数感覚が身につき、後に大変役に立ってくると思います。

簿記の知識を高めることが目的でなく、「決算書や試算表を見る力や会社・事業の内容を見る力」を身につけることが大事です。

 

帳簿をつける習慣を身につけましょう!

記帳することにより、事前対策を考えることが出来ます。

 

 

会計の大まかな流れ

①日々の取引の発生(お金の動き等)が、存在します。

②① により、証拠資料(領収書・請求書・納品書等)が、手に入ったり、作成をします。

③② の資料を判断して、記録(仕訳)していきます。

④③ により、記録されたものを日々集計することにより、日次試算表(日々の貸借対照表・損益計算書)が出来上がります。それを1カ月集計すれば月次試算表になり、それを1年集計すれば年次試算表(決算修正すれば、決算書)が出来上がります。

 

では、もう少し具体的に・・・ 

帳簿には、何をつければ良いのか?複雑に考えないで、以下にポイントを書いておきます。

  • いつ
  • 誰に又は誰から
  • 何のために
  • いくら払ったか又はもらったか

を記帳すれば良いのです。

上記の内容を「現金出納帳」・「預金出納帳」に記入していきます。

現金出納帳は、現金(手元にある現ナマ)の動きを書いていくだけです。(又は入力)

預金出納帳は、銀行の預金通帳の動きを書いていくだけです。(又は入力)

 

1月2日・・・A社からB商品を現金で仕入れた。

1月5日・・・○○社へ電話代を現金で支払った。

1月7日・・・××社へ商品を現金で売った。

現金出納帳

勘定科目

取引内容

入金

出金

差引残高

科目名

       

1 

 1 

前月繰越

 

 

 

 50,000

 

 2

仕入

A社からB商品

 

10,000

 40,000

 

 5

通信費

○○社 電話代

 

1,000

 39,000

 

 7

売上

××社へ

 20,000

 

 59,000

 

 

 

 

 

 

 

 例で、現金の箇所が、預金から支払った・振込があった・引落があったとなる場合は、「預金出納帳」への記入になります。

資料の整理


資料(原始証憑)の整理には、ルールは特に無く、見やすく後で分かりやすくが、基本です。

原始証憑は、会計上・税務上の証拠となる大変重要なため、保管や整理が大事なのです。

原始証憑とは、取引の事実・内容が間違っていないことを証明する書面の事を言います。具体的には、請求書・納品書・領収書・契約書などです。

 

整理方法は、項目ごとに分けるようにすれば便利だと思います。

例えば、

  • 現金支払い分
  • 小切手支払い分
  • 手形支払い分
  • 預金関係
  • 売上関係
  • 仕入関係

等の区分けで、日付け順に整理していきます。

 

では、もう少し具体的に・・・

項目ごとに区別するのは、取引量等により臨機応変に対応して下さい。

 1.売上関係

  • 継続的に発生するケースは、得意先ごとに保管
  • 売上請求書・納品書に一連番号を付けて日付け順に保管
  • レジペーパーは、日付けが分かりやすく、箱などに保管
  • 売上の入金に係るもの
  • 売上領収書に一連番号を付けて保管
  • 入金(現金・預金・小切手・手形等)・相殺・値引などの項目を記載
  • 書き損じについては、捨てたりしないで、その形跡を保管

 2.仕入関係

  • 材料や商品の仕入れ先・外注先などの毎月継続的に発生費用については、仕入れ先ごとに区別して保管

 3.領収書関係

  • 領収書は、現金・預金ごとにスクラップブックなどに貼り付けて保管 

 4.銀行関係

  • 借入金計算書・借入金返済表・返済済みの借入金証書・手形割引計算書・定期積金や定期預金利息計算書など区別して保管

 5.給与・源泉関係

  • 労働者名簿・源泉徴収簿・出勤簿・扶養控除等申告書・賃金台帳などの保管

 6.届出書・申告書・決算書

  • 開業届・消費税関連の届け出・申告書などの控えの保管
  • 税務署や役所などへの提出時には、必ず控えにも押印してもらい保管しておく必要があります。

 7.社会保険・労働保険関係

  • 健康保険・厚生年金保険・労働保険に関する届出書・申告書などの保管

 

帳簿書類の保管

原始証憑を含めたすべての帳簿書類は、会社法では10年・税法では7年の保存義務が定められています。