被相続人の準確定申告


1.年の中途で死亡した人の場合は、相続人が、11日から死亡した日までに確定した所得金額及び税額を計算して、相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内に申告と納税をしなければなりません。これを準確定申告といいます。

 例:7月5日に死亡した場合は、11月5日が期限になります。

 2.確定申告をしなければならない人が翌年の11日から確定申告期限(原則として翌年315)までの間に確定申告書を提出しないで死亡した場合は、準確定申告の期限は、前年分、本年分とも相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内です。

 例:H22年2月10日に死亡した場合は、平成22年6月10日がH21年度及びH22年度の期限になります。

 

相続人が2人以上いる場合
各相続人が連署により準確定申告書を提出することになります。
ただし、他の相続人の氏名を付記して各人が別々に提出することもできます。この場合、当該申告書を提出した相続人は、他の相続人に申告した内容を通知しなければならないことになっています。

 

 

相続を放棄した人がいる場合

その相続人のうちに相続を放棄した人がいる場合には、放棄をした人はその相続に関して初めから相続人とならなかったものとみなされますから、放棄者以外の各相続人が準確定申告書を提出することになります。

では、全員が放棄すれば・・・

相続人が不存在になってしまいます。この場合は、相続財産法人が成立して相続財産法人が提出することになります。

 

相続放棄は、相続人が自己のために相続の開始があったことを知った日から3カ月以内に家庭裁判所に対して放棄の申述をすることになっています。

 

被相続人及び相続人(事業承継をした場合)の届出等は、こちら。 

 

死亡した年の医療費控除

被相続人の準確定申告での医療費控除は、死亡した時までに実際に支払った金額に限られますので、亡くなった後に支払ったものは、たとえ被相続人の財産からでも医療費控除の対象外になります。ですが、死亡後の支払った医療費は、仮に相続人が「生計を一にしていた」場合には、相続人の確定申告で医療費控除を受ける余地があります。

※死亡後に支払った医療費は、相続税では債務控除になります。

 

配偶者控除・扶養控除

年の中途で死亡した人に控除対象配偶者や扶養親族がいるかいないかの判定は、死亡時の現況により判定することになります。

 

ポイント

質問

  私の母は、死亡した父の準確定申告で控除対象配偶者になっていましたが、その後に私と同居しています。母には所得が無いので、私の確定申告で扶養控除を受けられるのでしょうか?

 解答

  この場合は、控除対象配偶者・扶養親族に該当するかどうかの判定時期が異なっていますので、お母様は、お父様が亡くなった時点ではお父様の控除対象配偶者になり、12月31日の時点では、あなた(子)の扶養親族になります。

  したがって、お母様は、お父様が亡くなった年は、お父様の控除対象配偶者となりかつ、あなた(子)の扶養親族にも該当することになりますので、扶養控除を受けることができます。